トラック野郎「天下御免」にて、桃次郎と激突し合った痛快キャスト達
「トラック野郎・天下御免」における、アクの強きライバルキャスト達
トラック野郎シリーズ第4弾・「天下御免」の作中においても、例外なく他のシリーズ同様に、桃次郎にとってのライバル役のキャストたちと痛烈にぶつかり合い、そしてぶつかり合う事によってこそ、新たな信頼関係が生まれていく、という展開になっております。
今回紹介する「トラック野郎・天下御免」におけるキャストたちにつきましては、前回紹介した千津(松原智恵子氏)のように、地道で堅実なキャストとはまたまた異なったキャラクターではあります。
彼女彼らは、全10シリーズから見ても、ひときわ性質の異なるライバルキャストたちで、一番星桃次郎と共に、笑いあり、感動ありの身を熱く焦がすようなドラマを展開していきます。
そんな桃次郎のライバルたちとして、「トラック野郎・天下御免」のシリーズで桃次郎を支えたキャストですが、この「トラック野郎・天下御免」においては、実はライバルキャストが2名存在したのです。
トラック野郎シリーズにおける、ライバルキャストの設定としては、どのシリーズも桃次郎との格闘シーンにトラック野郎としてのプライドをもかけたワッパ勝負(ただし、7作はライバルキャストの愛車なし)が定番の見どころとなっております。
「トラック野郎・天下御免」での、ライバルキャスト達との決定的場面
そんな「トラック野郎・天下御免」における、ライバルキャストとしてのメインがコリーダこと須田勘太(故・杉浦直樹氏)で、もう1名がなんとコリーダの妹役としての須田雅美(マッハ文朱)という、それまでのシリーズから見ても、何とも驚異的であると言えるキャストの設定となっております。
本来ならまずはメインのライバルキャストとしてのコリーダから紹介していきたいところではありますが、この「トラック野郎・天下御免」においては、その話の展開に沿って、オープニングにおける、ミキサー運転手としての第二のライバルキャスト・須田雅美と桃次郎との激突シーンから入っていくとします。
舞台は四国は愛媛県、航海の途中で桃次郎は雅美のミキサー車に追い越されてバンパーに衝突され、激怒した桃次郎が雅美のミキサー車とワッパ勝負の末、ミキサー車軍団の追跡を受けます。
したがって、この「トラック野郎・天下御免」のオープニングからいきなり、本作においては桃次郎のライバルキャストたちがいかに大勢いたかという事を、強く印象付けられます。
追い込まれた桃次郎は、そんな大勢のミキサー軍団の男達をノックアウトしたものの、雅美にはかなわず、羽交い絞めで撃沈させられます。
それもそのはず、雅美役のマッハ文朱なる人物自体が、プロレスラーとしての王座の持ち主であったことから、いかにもライバルキャストとして、適材適所であったか、という事が教えられます。
以上の如き、正しく怒涛のオープニングを飾った「トラック野郎・天下御免」ですが、いよいよこれから紹介するのが、「トラック野郎・天下御免」におけるメインのライバルキャストであるコリーダとの激突シーンの本番です。
このライバルキャストのモデルとなった、愛媛は宇和島の闘牛のペイントを愛車の荷台に描き、いかにも凄味のある演出で道行く人々の注目を集めていました。
そんなコリーダですが、トラック野郎たちに情け容赦なくワッパ勝負を仕掛けては、メイン行燈をかき集めていくという、恐れられた存在でした。
いよいよ桃次郎の前にそのライバルキャストのコリーダが現れました。
かくして「トラック野郎・天下御免」における、最大の激突シーンとしての桃次郎VSコリーダの、ハイライトスポットであるワッパ勝負が展開されたのです。
桃次郎にとってもなかなかの手ごたえが掴めていたようですが、千津が一番星の前に飛び出してきたことで急停止する羽目になり、一番星号のメイン行燈「一番星」をコリーダに没収されてしまいました。
後々桃次郎はコリーダに再勝負を願い出たのですが、何とコリーダはドライブイン風車ではなく、自分の勝手で松山に向かっておりました。
勝負の舞台は、海辺のみかん工場で、こうして当初のワッパ勝負とは異なった展開で、殴り合いの決闘シーンが繰り広げられたのです。
殴り合いのシーンとは言えど、どのシリーズにおいても、あくまでライバルキャストとの間にはギャグやお笑いの演出も施されていて、いかにも大衆娯楽文化と呼ぶに相応しい作風も持ち合わせております。
ちなみにこの「トラック野郎・天下御免」においては、大型トラックの荷台のミカンの山にダイブした桃次郎とコリーダが、何とベルトコンベアーから流れてきたミカン箱の中から飛び出す(!!!)という、滑稽極まりない演出となっております。
そしてこの決闘シーンの終盤では、両者が海岸に出てきたところで、雅美が仲裁する型で生コンクリートを浴びせました。
その上、「3分で固まる」と聞いた両者は焦って海水で生コンクリートを洗い流し、ここでコリーダは桃次郎の主張を受け入れて、「一番星」の行灯はのし付けずに無事返されたのです。
以上の場面から見ても、桃次郎とライバルキャスト達との激突ぶりはいかに半端なく熱かったものか、読み取ってもらえれば何よりかと思います。
いきなりオープニングで桃次郎と悶着を起こした雅美としても、桃次郎のコリーダとの勝負をライバルキャストとして見届けずにはいられなかったのでしょう。
従って、この「トラック野郎・天下御免」における二名のライバルキャストたちは、桃次郎のゆくゆくの躍進のために、大役を果たしてくれたな、というようなところです。
「トラック野郎・天下御免」での、ライバルキャストとの厚き信頼
トラック野郎シリーズの、どの回においてもそうですが、桃次郎がライバルキャストと派手に激突してこそ、そのぶつかり合ったキャストとの間に、お互いが助け合える信頼関係というものが生まれるのです。
今回のそのライバルキャストとのハイライト・スポットが、コリーダの宇和島の闘牛・勘太山の勝負シーンでした。
この闘牛に賭けたきっかけとしては、「トラック野郎・天下御免」においてマドンナとしてのキャストであった我妻和歌子(由美かおる氏)の母が運営するみかん山が、300万円の借金を背負ってしまったことでした。
早速桃次郎はお金を工面しようと、一番星号で金融業者に「車の飾りだけで3000万円かかってる」などと言って、お金を借りに行く場面もありますが、コリーダとの交渉の末、彼の闘牛にかけてみることになりました。
熾烈なる闘いの末、見事コリーダが勝利し、桃次郎は配当金を手にしました。
この「トラック野郎・天下御免」において、かつて一番星号の行灯を奪い、桃次郎と熾烈なぶつかり合いの末、桃次郎のトラック野郎としてのプライドを快く認めたライバルキャスト・コリーダでした。
こうしてぶつかり合うことによって、それこそ命運をかけるほどの厚き信頼関係というものが、ここに生み出されたのです。
それも「トラック野郎・天下御免」の後半期における、クライマックスとしての一場面でもあった、という事から、今回のライバルキャストがいかに重役を果たしたかを、読み取ってもらえると何よりだと感じております。
歴代のトラック野郎シリーズにおいて、ライバルキャストたちがそれぞれ桃次郎を試し続けてきたわけですが、このトラック野郎シリーズを我々の生活に当てはめてみても、生涯において節々に出現するライバル的な存在を乗り越えていくための、お手本になるのではないか、という事です。
その乗り越えるべく相手が、たとえ厄介な曲者であったとしても、恐れずに立ち向かい、己自身を試し続けるか、それとも「君子危うきに近寄らず」みたいな感覚で保身に執着するか。
ここの視点こそが、我々の価値ある生涯の営みのためには、外せないところであります。
ライバルキャストのコリーダは、桃次郎が常に恐れ知らずに自らに挑んでくる、その姿勢に対して惚れこみ、「よし、こいつのためなら何とか賭けてみようではないか」という型で、厚き信頼を置くことになったのです。
つまり、試し続けることによってこそ、少しずつ信頼関係が積み立てられていく、というビジネスにも精通する心構えが、この「トラック野郎・天下御免」にて桃次郎を支えた2名のライバルキャスト達から学べた、と私は実感しております。
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