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「トラック野郎・一番星北へ帰る」が、私の皮切りだった 今回紹介する映画「トラック野郎・一番星北へ帰る」は、シリーズ第8弾にして、実は私が生まれて初めて知った、トラック野郎なる映画の第一作であります。 私的な話しにはなりますが、ひとまずはその映画「トラック野郎・一番星北へ帰る」を、私が初めて見る前の話から入っていきたいと思います。 まだまだVHSが主流のご時世で、配信動画はおろか、ディスクそのものの一般化もままならない時代でした。 そんな環境の中、私がそもそも映画「トラック野郎」の存在自体を知ったきっかけについて、お話ししましょう。 当時のトラック野郎達の間では、あくまで「デコトラ」が1つの全盛期の時代でした。 バブルなご時世をいかにも反映し尽くしているかのような、当然今日ではまずありえないような愛車の装飾へのお金のつぎ込み方だけ見ても、すくなくとも今日の若者たちは腰を抜かすはずです。 そんな当時のトラック野郎達の生活の実態の情報を、私は「トラックボーイ」や「カミオン」なるトラック専門誌より仕入れていたのです。 私の地元でも例外なくダンプカーなんかが多かったですが、例えば日通や福通などといった大手の車を除いては、まず装飾のないトラックはほとんどなきに等しい、といった感じでした。 あんなご時世の下で、トラック関連の専門誌に没頭していた私自身が映画「トラック野郎」の存在を知ったのも、今考えればむしろ必然にすぎませんでした。 そうしてある日、私自身が意外なあることをきっかけに、当時テレビ放映された映画「トラック野郎・一番星北へ帰る」の録画VHSを入手、生まれて初めてこの映画を実際に見ることとなったのです。 「トラック野郎・一番星北へ帰る」で崩れた、思考の型枠 私自身、映画「トラック野郎・一番星北へ帰る」を初めて見たその時点では、特に意識してはいなかったのですが、それまでの自分自身にとっての凝り固まった視点というものを、一気に広げてくれることとなったのです。 いかに架空の物語とは言えど、一番星号と、ライバル的存在である大型トレーラー運転手のBig99こと九十九譲次(黒沢年男氏)とのワッパ勝負に拳同士でぶつかり合う格闘シーン。 そして最後のクライマックスにおける、一番星号の爆走シーンと、それまで自分自身が見たことのない初体験ばかりで、私の好奇心を駆り立てるのみでした。 それまでカーアクションはと言えば、例えば西部警察に出てくるマシンRSやスーパーZでの追跡シーンや、洋画で言うなら「トランザム7000」に「ナイトライダー」等といったジャンルばかりが頭の中にありました。 それがこの映画「トラック野郎・一番星北へ帰る」を見てからというものの、『あっそうか、これが大型トラックがスピード勝負を賭ける場面なのか』と。 それこそ刑事ものやサーキット等の場面とは、大きく差別化を図る名場面を私自身の中に決定づけることとなりました。 そして何よりも、そんな名作を演じたキャストたちの心構えには、子供ながら頭が上がらないな、と理屈ではなく実感で教えられたものでもあります。 「トラック野郎・一番星北へ帰る」による、不滅の信頼の実録 この映画作品の中においては、桃次郎のライバルとの激突シーンだけでなく、勿論焦点として取り上げたいその他の場面は少なからずあります。 例えば、ジョナサンが借金の保証人になってしまったり、さらにその債務者本人が失踪し、自殺未遂にまで発展。 経済的にもそれまでの映画のシリーズにはなかったような、深刻な場面をより衝撃的に描写したものでありました。 そしてもう一つ、この第8作目のタイトル「一番星北へ帰る」そのものにも着目していただきたい。 映画・トラック野郎シリーズ第8作目にして、主人公の桃次郎にとっての原点回帰的な演出意図も見逃せないものです。 この映画「トラック野郎・一番星北へ帰る」においては、桃次郎が生まれ故郷にて自身の壮絶な生い立ちを、マドンナとの会話にて打ち明けております。 もともと桃次郎の一家は、ダムの建設のために一家は立ち退きを余儀なくされ、下北に移住したと言っております。 さらに漁師となった父親は、間もなく行方不明になってしまい、母親が一人で桃次郎とその妹とを育てた、とも語っております。 天下無敵なるカリスマ・トラック野郎一番星桃次郎もまた、人知れず叩き上げの道を辿り続け、ジョナサンを始めとした同じトラック野郎仲間などからも手厚く信頼される存在になったのです。 「トラック野郎・一番星北へ帰る」での、極めつけの爆走航海 そしてこの映画「トラック野郎・一番星北へ帰る」における、恒例の爆走シーンにおいては、桃次郎とは長きにわたり因縁の仲であった「花巻の鬼代官」こと赤沢警部(田中邦衛氏)の妻のために、透析装置を運ぶ仕事を引き受けたのです。 花巻市から大野村までわずか2時間の間で、距離的にも作中で言うところの200キロはなかったとしても、下道で間に合わせるには、今考えても至難の業です。 みちのく地方の大動脈と言えば国道4号線ではありますが、当時としてはまだまだバイパスの整備はままならず、その目的地までは同じく地方の大動脈である東北自動車道からも離れている模様で、昔ながらの険しい道を乗り越えていくという型になります。 この4号線の検問を強化したのが、以前より桃次郎を執拗にマークし続けて来たあの花巻の鬼代官・赤沢警部だつたのですから、今回の暴走行為を許せなかったのは、なおさらでした!! にも拘わらず、トラック野郎仲間達の結束はあくまで揺ぎ無く、次々と国道4号にて警官隊の追跡を阻止していきました。 しかし赤沢警部は、途中で花巻病院からの要請に基づき、追跡をやめて一番星号を先導する様に指示を受けました。 さらに間もなく、積み荷が赤沢警部の妻のものであることが判明したにも拘わらず、桃次郎との因縁を晴らすべく、たとえパトカーが激突により走行不能となってもまたしつこく、別の車での追跡を辞めることがありませんでした。... Read More | Share it now!
・・・[続きを読む]「トラック野郎」の映画10シリーズの順番から、私が気付いた進化 今ここにきて、「トラック野郎」の映画シリーズについて、改めて「公開の順番」という、客観的な視点で見直してみたいと思います。 なぜか、と言えば、トラック野郎という映画を、広い視点で見渡すことによって、その公開の順番とそれに伴う主人公の桃次郎だけでなく、その他キャストたちのそれぞれの役割というものからしても、トラック野郎の映画としての進化をどこかで発見出来るだろうと、私なりに考えているからです。 よってこの映画「トラック野郎」における、公開の順番に沿って、ひとまずはハイライト・スポットとなった主人公にとっての節目なり転機というものから探っていくと分かりやすいと思います。 私なりの独断と偏見にすぎず、飛び飛びな説明になってしまうとは思うのですが、まずは大まかに、シリーズの公開の順番を追いつつ、心に残った決定的な場面から捉えていきましょう。 「トラック野郎」なる映画の皮切りとなった第一作目・「御意見無用」それ自体がまず、桃次郎の出世、というよりも、文太兄い自身にとっても俳優としての出世作であったのです。 この第1作目のヒットによって、「トラック野郎」の映画シリーズを続行していく決断が下されたのです。 その次の第2弾のタイトルがまた、「爆走一番星」という、トラック野郎なる映画を語っていくのに最も決定的な「爆走」なるキーワードからして、トラック野郎シリーズ続行への新たなる決意が読み取れたものです。 次の第3作目「望郷一番星」の舞台は、いきなり前半期よりドカーンとダイナミックにも北海道に移りました。 桃次郎のライバル、カムチャッカとのワッパ勝負に格闘シーンを始め、いかにもその広大なロケ舞台に見合うべく、桃次郎の仕事ぶりとしても、以前よりも一回り、二回りも大きくなったような感じでした。 しつこいようですが、ここにおけるクライマックスの爆走シーンがシリーズ前半よりいきなり命懸けで、40トンの荷を積んで吊り橋を渡り切るという、落ちたらまず助からないような場面も主人公は乗り切ってきたのです。 そんな場面を生き抜いて、さらに次のトラック野郎シリーズの「天下御免」では、窮地に陥った一家を救い出すために20トンの荷を積んで、行き止まりの道なき道を乗り越えての航海にも成功しました。 この場面については、過去の記事にも記載してあるので、確認の方よろしくお願いします。 以上より、この3作、4作においては、順番的に前半期でありながら、桃次郎にとっても今後の出世を大きく左右すべく第一関門であったと、私は考えております。 「トラック野郎」の映画公開の順番と、さらなる主人公の進化 ... Read More | Share it now!
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