「トラック野郎・爆走一番星」のラストスパートで締め括る令和の年末
「トラック野郎・爆走一番星」が時代に投げかけた、一条の光
引き続き、またまた「トラック野郎」についての話題を展開していくところではありますが、今回としては第2弾に当たる「爆走一番星」(1975年12月公開)についての話題です。
という事で、まずはこの「爆走一番星」をこの時期に私なりに選んだ動機についてお話しします。
これも少し前の「トラック野郎」関連の話題における主旨と絡めて語っていきたいところでもあるのです。
何よりもこの「トラック野郎」が公開された1975年当時の時代背景たるもの、お世辞にも好景気とは言えないどころか、戦後初のマイナス成長を記録して、まさに我が国の行く先にも大きな陰りが見え始めた時期でした。
そんな過酷な環境において、言い換えれば時間も予算もぎりぎりの状態で世に送り出されたのが、「トラック野郎」第一段シリーズの御意見無用でした。
にもかかわらず、いざ蓋を開けてみると、この作品自体興行収入で8億円を記録し、続く第2弾「爆走一番星」もまた、配給収入だけで7億7000万円の、1976年における邦画配給収入7位、という結果でした!!
それも元はといえば、この第2弾としての「爆走一番星」自体が、少なくとも「トラック野郎」公開前には計画されていなかったというくらいですから、東映にとっても、文太兄いや欽也氏(以下キンキンさん)達にとっても言うまでもなく、大出世作となり得たのです!!
確かに桃次郎役の文太兄いにせよ、ジョナサン役のキンキンさん達に代表される出演者たちは、前作よりも一回り二回りと大きく変貌を遂げたような、そんな姿が伝わって来ます。
これこそがまさに、英雄達によってこの世に一条の光が投じられた一大場面として、一見冷め切ったような社会情勢を次々と覆していくべく、一世一代の爆走の旅が展開されていったのです。
よってこの第2弾「爆走一番星」を皮切りに、以来丸4年間に至るまで、「トラック野郎」シリーズが全10作にも渡り継続されていく結果となり、
70年代は「トラック野郎」抜きには語れない
までの時代となり得たのです!!
「トラック野郎・爆走一番星」にて、本格的なコミカル路線が実現化
まずこの「爆走一番星」に関しては、過去の投稿においてはライバル役であったボルサリーノ(田中邦衛氏)と、その生い立ちにまつわるジョナサンとの因縁の関係を取り上げたりと、むしろ重苦しい、黒歴史的な話題も含めたネタが中心でした。
がしかし、あくまでもこの「トラック野郎」における醍醐味そのものとしてはまた、いわゆ今日のお笑いにおいても十二分に引けを取らないまでの、喜劇的な資質も見逃せません。
今回のメインテーマとは少し話題がそれるようですが、今一度「爆走一番星」のクライマックスへと行きつくまでに、この喜劇的な場面もまた、振り返っていきたいものです。
という事で、私なりに選び抜いた「トラック野郎・爆走一番星」におけるお笑いの場面としては、大きく分けて以下の2通りです。
その一は、何とオープニングしょっぱなから、新潟の山中にて社会見学に来ていたとみられる観光バスの一行が、桃次郎とジョナサンにからかわれる場面です。
それもこの女教師を演じていたのは研ナオコ氏という事もあり、より一層くすぐったい喜劇の場面でもあったなという感じです。
以来、この手の「トラック野郎」オープニングにおいても、桃次郎とジョナサンによる例えば第5弾「度胸一番星」にて秋竹城氏演じる婦警を弄ぶ場面などの、喜劇的な場面も展開されるようになっていったのです。
また、もう一つは桃次郎とバキュームカー・雲龍丸とのやり取りで、その運転手であった千秋(加茂さくら氏)にホースを向けられたり、挙句は桃次郎が誤って雲龍丸のレバーを握り、千秋と共にその「荷」を浴びてしまったりする場面がありました。
ここがまたまた、「爆走一番星」においては、喜劇が最高に盛り上がる一場面でもあります。
以上のような大爆笑を誘うべく場面もまたまた、「トラック」における歴代場面の中では、
正しく当時の冷め切った、今日にも通じるような景況感をことごとく打ち砕いていくような
ハイライトスポットであったと感じ取れます。
「トラック野郎・爆走一番星」で出世を果たした、桃次郎の爆走シーン
再度この「爆走一番星」における、前作との決定的な変化について、一番星号の車両の変化だけでも振り返ってみましょう。
まず第一に、一番星号の車種が三菱ふそう・T951型から同じく三菱ふそう・FU型へとフルモデルチェンジし、その飾りも併せて第1作における一番星号とは、これまた一回りも二回りも大出世を果たしたものでした!!
で、いよいよトラック野郎シリーズ第2弾「爆走一番星」のラストの爆走シーンについて語っていくとします。
桃次郎とジョナサンが旅の途中で出会った、小野松吉という長崎出身の中年男性を、12月31日に家族の待つ長崎の自宅まで約束通り年内に送り届ける、というものでした。
その航海のきっかけとなったのが、桃次郎が岡山にてお金がないために当たり屋をしていた松吉を拾ったことでした。
ちなみにジョナサンとしてはね桃次郎よりもはるか前に長崎の小野家についていて、この時松吉の子薫が熱を出して寝込んでいたようです。
一方の一番星号としては、正しく一世一代の爆走の真っ最中で、パトカーに追われつつもライバルとしてぶつかり合ったボルサリーノ2始め、他のトラック野郎仲間達の手助けを経て、長崎へとまっしぐらでした!!
最も、この松吉を岡山で拾ってから長崎にたどり着くまでの持ち時間については、これまた桃次郎とのやり取りとの中で明らかにはされておりません。
が、恐らく岡山で2人が出会った時刻としては、憶測にしか過ぎませんが大体14時頃だったとしても、当時山陽自動車道や中国自動車道が全通しておらず、ほぼ下道に頼っていくしかなかったとみられ、併せて大晦日という事もあり、思いのほか厳しい設定であったと見受けられます。
で、クライマックスとしては無事に小野家が除夜の鐘の音を家族揃って聞くことが出来て、薫も体調が回復しね正しく当時の世知辛いご時世に笑顔を呼び戻せるような、完結の名場面でした!!
つきましては、この今までにないような過酷なご時世とも言われている令和の年末こそ、「トラック野郎・爆走一番星」を下記よりご視聴いただき、盛大に締め括っていただければ、これほどありがたいことはございません!!👇
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