「トラック野郎」は鹿児島までヒロインを送った、第6弾の爆走航海
今回はトラック野郎シリーズ第6弾「男一匹桃次郎」(1977年12月公開)にて、九州にて展開された豪快な物語のクライマックスを飾るべく、鹿児島までの爆走航海に焦点を当てて語っていこうと思います。
元々この「トラック野郎・男一匹桃次郎」において、九州のどこが舞台となったのか、についてですが、ザッと言うなら熊本に佐賀は唐津、そして阿蘇山脈の観光地に終着地点の鹿児島、といった感じです。
また、いきなり爆走航海に入る前に、今回としてはこの「男一匹桃次郎」で桃次郎が九州にて展開してきた物語は、歴代「トラック野郎」シリーズから見たら、いかなるものであったか?
こここそを理解していくことにより、さらに一層「トラック野郎」極めつけの爆走航海に対して改めて、
ああなるほど、この作品の本当の演出意図とはそう言うところにあったのか!?
みたいな型で訪問者さん達の心を動かすことが出来れば、と私も考えてはおります。
ズバリ!! ここでの最大のキーワードとしては「男一匹」でありかつ一番星号の荷台に刻まれた「真実一路」という風なところであって、いかにも広大で起伏に富んだ九州の土地をまっしぐらに爆走していく、そんな第一印象があります。
さらに先ほど言ったように、執着地点が鹿児島という演出からもまたまた、豪快な九州男児なりのイメージと併せて、桃次郎が現代の我々にいかなるお手本を見せてくれてる指導書なのか。
こんなところを決して捉えて離さずして、「トラック野郎・男一匹桃次郎」における、クライマックスの爆走航海というものを、紹介していこうと思います。
「トラック野郎」第6弾で、鹿児島までマドンナを乗せての爆走航海
「トラック野郎」シリーズにおける爆走航海とは、鮮魚や医療機器などの荷物、あるいは登場人物を空港や港まで送り届ける、という風に、大きく2通りに区分されてきました。
即ち今回としましては、後者になるのですが、佐賀の唐津市を出発点として九州を南下し鹿児島空港まで、という経路になります。
舞台は1978年の正月明け、今度こそはと、恋の対象であったマドンナ小早川雅子(夏目雅子氏)にプロポーズしようと意気込んではおりました。
この雅子とは、桃次郎が唐津のドライブイン「唐津乙女」で初対面にて一目ぼれした女子大生で、キャストの名前もまんま「雅子」だったというのも、是非とも着目しておきたいところであります。
早速結納品を持って、雅子の下に桃次郎は向かいましたがちょうど、婚約をしていた村瀬薫(清水健太郎氏)からの別れの電話を受け、号泣していた最中でした。
村瀬は雅子と大学で知り合いましたが、実家が経営する町工場が破綻し、借金を背負う型になっておりました。
そのため村瀬自身としては、雅子の意志に反してブラジルへ旅立つ計画をしており、その日の16時に鹿児島空港を旅立つというのです!!
一方の桃次郎としては、それまで村瀬薫のその名前だけで、彼自身を女と思い込んでいましたが、またもや恋に破れ、愕然としたその瞬間でした。
しかし、ここは流石に桃次郎、結納品を捨ててまで雅子と村瀬の関係を取り戻すために、出発まであと5時間しかないにも関わらず、「俺なら4時間で十分だ!!」と言って、一番星号で唐津を出発しました。
今でこそ、佐賀県から鹿児島まで車で5時間、というのは普通の感覚ではあります。
しかし当時は、九州自動車道は言うまでもなくほとんど開通しておらず、大動脈となる国道3号線にて広大にも拘わらず険しい道のりを、鹿児島までとなれば6時間、いやまだまだ時間を要したと思われます。
さらに今回に限っては、実は桃次郎の免停が翌日解ける(!?)という状況でして、にも拘わらず桃次郎としては「今日じゃなきゃ出来ないこともある・・・・・。」と言い切り、いかなることがあってもノンストップに、九州路を一直線に突き進まんとする一番星号でした。
この道中で支援に関わったトラック野郎仲間達と言えば、左とん平氏演じた花山電吉が養豚の豚を路上に下ろして警官隊を防御がます第一の見どころではあります。
果てはライバルでかつ雅子の兄でもあった袴田太一(若山富三郎氏)のトレーラー始めとしたトラック野郎仲間達による、国道3号線での警官隊との闘いも展開されました。
一方脇道に入った一番星号でしたか、急こう配でキツいカーブの山道にてまたまたパトカーとのカーチェイスが展開されていきました。
次いでにこのパトカーの車種としてはフェアレディZであることもまた見どころであって、正しく崖っぷちでの死闘へと突入していきました。
この途中で未舗装の道路に差し掛かり、断崖絶壁の行き止まりを見事に超えた後も、まだまだ死闘は続きました。
そして遂に行灯が割れ、荷台に泥水を被り満身創痍となった一番星号でしたが、さらに極めつけは一番星号による「運河越え」でした!!
橋げたが落ち行く先は水の中、というそんな場面を一番星号は見事飛び越え、一方の熊本県警のフェアレディZは残念ながらそのままダイブ!! してしまいました。
勿論この場面も特撮ではありますが、「トラック野郎」シリーズにおける数ある難関突破場面の中でも、特に当時としては最も高度な技術を駆使していたものだと感じ取れます。
見事この難関突破した一番星号は、その後ただただ鹿児島空港へと一直線あるのみでした。
鹿児島空港までもうひとっ走り、と国道3号線にて熊本~鹿児島県境を越え、桃次郎は雅子に「一度惚れた男なら地の果てまで付いて行け」と強く後押ししました。
またさらに着目すべき場面としては、桃次郎が(結納品を持って)雅子に自宅を訪ねた用件を聞かれた時、「忘れちまったよ」とあっさり返したところでした。
訪問者さん達は、失恋した相手にそんなセリフを吐ける人って、今まで出会った試しがありますか?
ここが誰にも真似が出来ない、自己犠牲を惜しまぬ生粋さ、と言うべく生き様、つまり愛する相手の本当の幸せを願うという事だと感じ取れます。
そしていよいよ雄大な自然に囲まれた鹿児島空港に到着、この時点では出発までに半時間もの余裕があったそうです。
雅子は村瀬と見事再会を果たし、共にブラジルへと旅立つクライマックスを迎えました。
「トラック野郎」第6弾の終着地点・鹿児島に至るまでのブレない美学
ここで話は戻しますが、「トラック野郎・男一匹桃次郎」における、真実一路な美学とは、いったい何物だったのか。
こここそが今回、最重視すべく課題として紹介してきたつもりでおります。
まず改めて今回の焦点をまとめ挙げるなら、真実一路、山あり谷ありの険しい土地を突進、そして行き止まりをも構わず突破していく、それほどまでの桃次郎の生き様を描写しておりました。
まあこの生き様を現代の我らに置き換えるなら、まさにあの九州の目まぐるしい変化に富んだ地形の如き社会環境を、いかにしてブレないまっすぐな姿勢で、且つその節その節の変化に対応していけるか。
これについてはまた、歴代「トラック野郎」シリーズにおける一番星号の装飾にも現れていると見られますが、この度の「男一匹桃次郎」に関しては、第6弾というちょうど中間地点においては、前作「度胸一番星」よりも洗練されたものと感じ取れます。
言うなれば古今東西において、まっすぐで一途に突っ走って来たと見られるカリスマ的存在としても、というよりそんな存在であるほど、むしろ変化していくことを常に欠かせなかった、というべきであります。
従って我々としてもまた、「トラック野郎・男一匹桃次郎」において一番星号が鹿児島まで爆走航海を成し遂げたのと同様に、変化の波に流されることのない姿勢を、常に試していくことを欠かせません!!
今回紹介した「トラック野郎・男一匹桃次郎」における鹿児島までの爆走航海に関しては、下記よりご視聴いただけます。👇
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