「トラック野郎・一番星北へ帰る」爆走航海が語る、正当な実力行使
「トラック野郎」は一番星号による爆走航海といっても、たかが1つや2つだけでなく、実に多くの予想外な新発見を見つけてきました。
「トラック野郎」といえど一番星の名場面からの新発見も実にピンきりで、私なりにもそれだけ多角的な視点より見つめてきたと我ながら感じております。
例えば一番星によるある1シリーズの爆走航海に焦点を絞ってみても、「トラック野郎」がいかにシリーズ終了から数十年以上を経たご時世においても有益な参考書であるか。
みたいな発見すらあり得ます。
そんな「トラック野郎」シリーズは第8弾「一番星北へ帰る」での爆走航海は、実は私が生まれて初めて出会った一番星号による爆走航海でした。
こう考えるとなおさら「トラック野郎」をメディアで紹介し続け、検索エンジンにも評価されて読者さん達にも安定の支持を得ることが出来て本当によかったな、と言わずにおられません。
こうして私なりに御礼の気持ちを示すと共に、今回は「トラック野郎・一番星北へ帰る」での爆走航海が、今世紀を生きる我らに対する認識を鋭く問いかける一大名場面であったとして、劇的に語っていきます。
何せあれ以前における鮮魚40t等といった爆走航海とは似て決定的に異なり、ここでは一番星が人の命を預かるべく荷を引き受けた、そんな終始緊迫感を隠せないドキドキ、ハラハラな場面でした。
よってこの「トラック野郎・一番星北へ帰る」での爆走航海が具体的にどのようなメッセージを送って来たのか?
という風な課題を説いていくとします。
「トラック野郎・一番星北へ帰る」の爆走航海を改めて劇的におさらい
「トラック野郎」も「一番星北へ帰る」は第8弾を迎えたということもあり、それまで以上に洗練された内容が求められたという印象も大きいものでした。
一番星号の飾りも過去7作と比べて必然的に一回り、二回りと大きく進化した印象で、そのサブタイトルからして「トラック野郎」の原点回帰を試みたかのような最高傑作でもあった。
そんな「一番星北へ帰る」での人命救助の爆走航海の概要を本格的におさらいします。
時は1979年明けの正月、花巻のドライヴインへ新年早々1人の医師が命からがら駆け込んで来ました。
そこで彼はトラック野郎達に「誰か、後2時間以内に大野村まで危篤患者を救命する人工透析装置を運んでください!!」「これはトラックじゃないと運べないんです」と藁にもすがる思いで頼み込んでいました。
時期的にも緑ナンバーのトラックは軒並み休業しており、どのみち白ナンバーのトラック野郎達に頼るしかなかったのです。
ここでまさに一番星は名乗りを挙げたのですが、道のり的にも極めて困難な状況で、しかも花巻の鬼代官・赤沢警部が虎視眈々と取り締まりに目を光らせていました。
一番星は「鬼代官が怖くて、ワッパが回せるか!!」と愛機のアクセルを一気に踏み込み、60㌔~100㌔にまで加速して国道4号を北上。
ここからはお決まりの警官隊撃墜シーンとなりますが道中では一番星を不良運転手としてマークしてきた赤沢警部が出現も、この検問を強行突破。
赤沢警部はまさに地域のトラック野郎達で恐れない者はいない、とまでの存在で実は以前に一番星を婦女暴行で逮捕したこともあり、「いつかは奴を3年以上ぶち込んでやる!!」と、目の敵にしてきたのです。
まさにこの時を待ってました!! とばかりに警部は執念の追跡を続行、一方一番星のトラック野郎仲間達も警官隊による追跡を決死の防御を続けました。
「トラック野郎・一番星北へ帰る」の爆走航海は警察も容認でした
ここでの「トラック野郎」における一番星の爆走航海ばかりは、前にも言ったように鮮魚の運搬とは決定的に異なり、あくまで人命救助のための緊急性を必要とするものでした。
よって当然遅れは絶対に許されず、この仕事を背負った一番星としても生涯の中で最も重い責任を背負う場面となった感じでした。
そんなこんなで一番星が出発して1時間が経とうとしていたその時になってやっと、花巻病院から岩手県警本部に一番星を先導させる旨の要求があったことが分かり、県警は一斉に追跡を中止。
にも拘わらず鬼代官は「法に支障はない、あの暴走トラックだけは絶対に許さん!!」と、部下による発言を阻止してまで一番星追跡を断固として続行。
ここで相棒はやもめのジョナサンが鬼代官を阻止にかかったのですが、彼の口からは「あんたの立場は分かる、だが一番星には奥さんの命が懸かってんだよ!!」と。
そうです、実は一番星は危篤に陥った鬼代官の奥さんのための荷を運んでいたのです。
それでも断固として一番星追跡を諦めぬ鬼代官に対しジョナサンは「お前それでも人間か!?」と撃墜。
しかし撃墜され自走不能になっても特殊車両に乗り換えてまで一番星を追い続けるも一番星は目的地に一直線、荷は指定時間内に無事到着し、赤沢警部の妻は九死に一生を得たのでした。
後にここへ赤沢警部も駆けつけたのですが、自身の妻が一番星に救命されたことを確認後「ありがとう」と一言、あの表情はトラック野郎達が恐れる鬼代官ではなく、あくまで1人の生血の通った人間としての表情でした。
そんな「一番星北へ帰る」での爆走航海は「トラック野郎」史上においても異例な警察関係者にいわゆる「容認」された一大場面となったのですが、故にここからは我が国における司法の在り方も問われる重要な場面でもありました。
「トラック野郎・一番星北へ帰る」の爆走航海を実例と照らし合わせる
言うなれば「トラック野郎・一番星北得帰る」での爆走航海は、結果的に一番星による一種の「正当防衛」だったともいえます。
ここで「トラック野郎・一番星北へ帰る」での爆走航海を、一度実際に発生したとある事件に置き換えてみましょう。
まずこの事件の概要とは、大阪某所にて50代の男性(以下男性)が40代(以下男性)によるあおり運転を注意したところ、逆切れして襲い掛かって来たのでとっさに工具で殴打。
結果運転者は骨折を負い、男性は有罪判決で略式命令を受けるも後に逆転無罪となったのです。
即ちこの事件は男性による正当防衛が認められた代表的なものであり、具体的な背景としては加害者に当たる40代の運転者は空手有段者だったため、素手では太刀打ちが困難だった。
みたいな感じでした。
この事件を「トラック野郎・一番星北へ帰る」の爆走航海に置き換えたいのですが、まず岩手県警が一番星を先導することになった残り1時間に焦点を当ててみます。
あくまで大雑把な解釈でしかないですが、男性を一番星及びジョナサンとすれば即ち一番星を制止しようとした(というか、厳密には妨害ですけど)鬼代官は運転者に当てはまります。
まさに鬼代官によるあの通行妨害は、実質上緊急車両扱いを受けた一番星に対するあおり運転というか、自らの身内の生命が懸かっており一刻一刻を争う場面であったから尚更悪質なものだったと認知されるべきです。
ついては今回紹介してきた「トラック野郎・一番星北へ帰る」での爆走航海は、我が国における司法の在り方を問われるだけではありません。
あくまで何が正しくて何が間違いなのか? を的確かつ迅速に見極めるための、重要な参考書であると言いたかったのです。
これは何もあおり運転に限らず、常日頃起こりえる事件やトラブル解決の為に役立ってくれるものであります。
転じて本来救われるべく被害者のためにも「正当なジャッジはここにあり」と言わしめた一大場面でもあったのです。
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